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2022.07.19

安倍元総理に寄せて

2022年7月8日、安倍晋三元総理が参議院選挙の応援演説中に銃で撃たれ亡くなりました。

安倍元総理の私の印象は「いい人」。
そして自分の信じるもののためには「細かいこと」にこだわらない人であったように思います。

いい人だったから、安倍さんを利用しようとする人に対しても冷たくできなかった。
篭池夫妻に利用されてしまったことなどはその典型。
いい人だったから、自分に忖度する人達の善意や好意をそのまま受けてしまった。
桜を見る会の騒動がそう。
加計問題もそうかもしれない。自分に働きかけてくる人には利便を図ってあげたい。
えこひいきととられても、その人がやっていることは正しいのだから、と。
それを追求されると細かいことにこだわらないから次々とボロが出て「嘘つき」となってしまった。
悪人ではなかった。
細かいことにこだわらず、全体を見るのはいい上司の典型のはず。
でも本当に…全体を見ることができていただろうか。

安倍さんはいい人で、それなりに優秀な人でもあった。
努力家でもあったろう。
ただ、いかに優秀であっても全てを自分ができるわけではない。
それならば信頼できる優秀なブレーンが近くにいて、安倍さんを補完できればよかった
安倍さんが気にしない「細かいこと」を拾い、篭池氏のような人を遠ざけ、「桜を見る会」の拡大を抑え込み、憲法改正草案を変なイデオロギーに偏らずに作れるような。
いなかったはずはないので、安倍さんが頭が上がらない誰かの圧力があったんじゃないかとも思う。
本当に優秀で安倍さんのバランスを取れる人は遠ざけられ、持ち上げて安倍さんの地位を利用する人達だけが周りに残ってしまった。
総理を支えるのは激務だと思うので「やってられない」と離れていった人がいたとしたら、それは仕方がないと思うんだけど。
安倍さんはそういう人を護らなきゃいけなかったよ。
みんなに「いい人」じゃだめで。自分を律してくれる人を護れなきゃいけなかった。

安倍さんは優秀でいい人だったけど、普通の人だった。
好きか嫌いかと言われると私は「好き」ではない。
結局、あの政治の世界にあっては「普通の人はここまでしかできない」という限界を見せられているようで辛かったから。
だからといって、卓越して優秀な人が総理になったら功罪両方の面があるだろうから「普通」がちょうどいいとも言えるんだけど、「普通」では日本の未来はズルズルと後退していくだけ。
世の中の生きにくさは増していき、少子化は進行し、日本は全体として衰退していく。
誰も何もできず、手をこまねくのみ。

でもそれも仕方ない。
何かを一気に解決できる魔法なんて存在しない。
昔よりも今がよくなったこともある。人は昭和の頃よりもずっと自由になった。
安倍さんは現状を変えようとして、自由になった人々を「日本」に取り戻そうとしていたんだろうけど、それはかなわなかった。
でもそれでよかったんだよ。政界は引退して奥様と穏やかで静かな生活を楽しんでいただきたかったな。

安倍元総理のご冥福をお祈り致します。

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