知り合いの勧めで、この4月から「正解するカド」というアニメを見始めました。
「正解するカド」? ヘンな名前…。
というのが第一印象でしたが、第一話を見たら、めちゃくちゃ面白い。一言で言うと「リアル」。
何がリアルかというと、今のこの日本にもし信じられないような「超常現象」が起こったとして、それに私達はどう対応するのか、というリアルさです。昨年、公開された映画「シンゴジラ」を見たことがある方なら、ああいう感じ、と思っていただければ。
「超常現象」とは…
ある日、突然、羽田空港の上空に未知の「何か」が現れます。
「何か」としか言いようがないのですが、見た目は馬鹿でかい立方体の構造物。一片が2キロメートル以上あります。
そういうものがいきなり上空に出現し、空から羽田空港の滑走路に降ってきて、たまたま滑走路にいた飛行機が一機、下敷きになってしまいます。
一体これは何なのか?
どこから現れたのか?
それはともかく、下敷きになってしまった飛行機はどうなったのか? 乗客は全員死亡? という大きなニュースになりました。
立方体は未知の物質でできていて、外部からのどんな干渉も受けません。
壊すこともできないし、全く、何なんだ、これは?
と、対応に苦慮しているところへ、いきなり、物体の上部が階段状になったかと思うと、一人の人間がそこから現れました。なんと、それは下敷きになった飛行機の乗客の一人。
そして、その後からもう一人。
その人物こそがヤハクィザシュニナ。この立方体の所有者(?)だったのです。
・・・というところが第一話なんですが、導入部がリアルなので、ヤハクィザシュニナの登場シーンに仰天しちゃうんですよね。
え? 宇宙人? 何なの? 的な。
いや普通、アニメでSFなら宇宙人や幽霊や未来人や地底人、どんなものが出てきたって驚きませんよ。
設定が超リアルなため、つい現実を前提に物語に入ってしまうので、目の前に人でないもの、なのに人の形をしているものが登場した時点で、びっくりしちゃう。
今、アニメは3話まできていますが、そのヤハクィザシュニナという人に見えるソレが何なのかは全く分かりません。もちろん馬鹿でかい立方体の正体も。
でも、ちょっと分かってきたことはあります。
どうやら立方体(この立方体が「カド」と呼ばれています)はノヴォと呼ばれる異世界からこの宇宙に出現したらしい。
そして「ヤハクィザシュニナ」は、人類とのコミュニケート用に用意された「人型(ひとがた)」みたいです。
でもこのコミュニケート用「人型」はよくできていて、カドに飲み込まれた飛行機に乗っていた人間が持っていたスマフォを調べることで、人類のコミュニケーションの方法や言葉を一瞬にして学習してしまいます。
カドに飲み込まれた飛行機は、カドの中で無事で、乗客も全員生存していました。
たまたま載っていた外務省の役人が「タフネゴシエーター」と呼ばれる交渉人のスペシャリストで、彼が、人類として最初にヤハクィザシュニナと接触しました。
ヤハクィザシュニナも人類とのコミュニケートに彼を間に立てることが有効だと判断し、以降、人類とカドの交渉は彼が間に立って行われることとなります。
真道(しんどう)という名のその交渉人は、かなり優秀でこれまでも様々な交渉を手がけていることから、ヤハクィザシュニナという得体の知れない存在にも臆することなく接しています。
「臆することなく」
普通、こういう場合って「冷静」に、というのが一般的な気がするんですが、真道さんという人は不思議な人です。冷静って感じでもないんですよね。
未知の存在を目の前にして、クールではないんですよ。恐れもない。普通は怖いと思うんですが、どうも怖いとは思ってないみたい。勇気があるなぁ。
相手が何をしようとしているのか。何を求めているのか。それに興味がある。というか相手の存在に自分も興味がある。
ヤハクィザシュニナとのコミュニケートを本人も楽しんでいるように見えます。
そして彼の言葉、彼の意図を人類に伝えることが、自分の役割であることに「燃えている」という感じ。
カドが出現の際に飛行機を飲み込んでしまったのはたまたまで、真道さんがその飛行機の乗客だったのもたまたまなのですが、「カド」と「ヤハクィザシュニナ」にとっても、ファーストコンタクトがこういう人類だったのはまさに僥倖だったでしょう。普通はこうはいかないよなぁ。
「カド」の出現の目的は不明で、ヤハクィザシュニナの話だと「人類を推進するため」らしいですが、何のために「人類を推進」させたいんですかねぇ?
ヤハクィザシュニナはまずその証として「ワム」と呼ばれる、無限の電力を、彼らがやってきた「異方」からこの世界に供給するという物体を現出させます。
もう一つ一つがパニック。
ファーストコンタクトには「贈り物」は必須なのかもしれませんが、この贈り物はちょっととんでもなさ過ぎでは・・・
というか、人類との接触にあたり、最初にワムの提供を申し出ろと言ったのは、誰なの? 真道さんなの? もうびっくり。
真道さんとザシュニナ(略称で呼ぶのは信頼が深まった証らしい)は、どうも舞台裏でずいぶんいろんなことをコミュニケートしているみたい。ザシュニナの意図をかみくだいて分かりやすく伝えるのも真道さんの役割みたいですが、私はこの舞台裏に非常に興味があります。どうやってるんだろう?
つまり真道さんは人類ではあるけれど、ザシュニナの代理人なんです。
ザシュニナの意図を汲み、彼の提案を人類に受け入れさせるように動いている。どこまで彼はカドとザシュニナのことを理解しているんだろう? 興味は尽きません。
ザシュニナは謎ですねぇ。
なんであの姿と格好なんだろう。
カドもなんであの形なんだろう。
あれだけ大きいものが出現したら、確かにオオゴトで政府が動くわけですが、そういうの分かってたのかしらん。全人類が相手ならたとえば地球の外から彗星のふりして現れてもよかったのに、なんで「カド」なの?
ザシュニナはなぜあの姿形なの? もっと年配でもよかったんじゃ? 日本に出現するのに、なぜ日本人をシュミレートした人型じゃないんだろう。髪が白、目が赤なのはなんで? 女性型でもよかったのになぜ男性型なの? 裸じゃないほうがいいと言われてなんであの服なの? 上着は絵本の王様を参考に作ったみたいだけど…
もうね、謎だらけ。
そして知りたいことだらけ。
そして・・・
この作品もDVD化されるし、あとでまとめて見る人もいそうなんですが、リアルタイムで毎週放映されるアニメを見るというこの体験はまた格別です。まさに今しかできない。
次の回まで、カドとヤハクィザシュニナの正体をあれこれ想像し、後の展開を予想する・・・楽しいなぁ。
DVDでまとめて見るんじゃこの楽しみは体験できない。
皆様、まだ間に合います。見逃した方はネットで動画が配信されていますので、3話まではそれで見て、残りは一緒にリアルタイムで見ましょう。
これ、すっごく面白い♪
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