文化・芸術

2013.06.09

エリカの花言葉

 今日は「ミュージカル黒執事-千の魂と堕ちた死神-」の千秋楽でした。
 千秋楽の公演は大阪で、私はライブビューイングで鑑賞しました。
 ライブビューイングって初めての体験だったんですけど、なかなかよかったなー。
 先日、東京公演は見に行ったんですけど、席が舞台から遠かったので、当然、登場人物の顔までは見えなかったし。物語は知ってても、今日もとても楽しめました。

 やっぱり、このお話、好きだな。

 前回、舞台で見たときは、黒執事の世界をそのままミュージカルにしているのにびっくりしてしまって、ただただ感動だったのですが、改めて・・・なんというか、本当に悲しくて切ない物語です。

 黒執事の原作でも、そういうやるせない、やりきれない思いにさせられる物語があるのですが、そういうところが原作と通じているのにジーンときてしまいます。

 もう一度、聞きたい、何度でも聞きたい。アランとエリックのあの歌を。
 そう思って、DVDを予約しちゃいましたよー。

 エリカの花言葉は「孤独」。
 
 前の感想にも書きましたが、一人きりで生まれ、一人きりで死ぬのは定めなのに、ホントに、なぜ涙が出るんだろう。

 死ぬこと自体はそれほど怖くはないけれど、生きている限り、私たちはその孤独と対峙していかなきゃいけない。アランが言っていたように、星になって、後に生きる人の灯りになれればせめても救われるんですけど。

 無意味なんだよなぁ。その輝きがどんなに美しくても。
 分っていても何か答えを見つけたくて。きっと何度もDVDを見てしまうんだろうと思います。

 DVDの発売は2013年10月ですが、きっと瞬く間に違いありません。

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2013.05.20

「黒執事」-千の魂と堕ちた死神-(ネタバレあり)

「黒執事」-千の魂と堕ちた死神-(ネタバレあり)

昨日、2013年5月19日に『ミュージカル「黒執事」-千の魂と堕ちた死神-』を見に行ってきました。


そういうミュージカルがあるという話は知ってはいたのですが、見たのは今回が初めてです。
「黒執事」には最近、実写映画化の企画もあって正直「う~ん^^;」と思わないでもないですが、噂では同じ実写(?)でもミュージカルは評判が悪くないのですよ。
持ち前の好奇心が勝ちまして、幸い、チケットも取れたので見てみました。

感想は…うん、これは面白い。

ちゃんと黒執事のお約束を踏襲しつつ、暗くなりがちで地味な展開にユーモアを添えている。
アニメの時も思ったのですが、シリアスな展開ばかりでなくオバカ要素も盛り込んでいて、私はこういうの好きですね~
周囲の観客は若い女の子が多く原作ファンも多そうですが、概ね「面白かった~」という声が聞かれていました。
これがないと黒執事じゃない、という要素を全て外さずに取り入れ、一本のお芝居としてまとめ上げている、脚本もさすがです。

それ以上に役になりきってるキャストの皆様にはむろん脱帽ですが。
グレルもアンダーテイカーもウィルもあまりにもそのもの過ぎて違和感を全く感じないのですが、それって実はものすごいことです。
何回も同じものを公演しているせいもあるのかな。だとしたらミュージカルってそれがいいですね。今回は三作目、厳密にいうと二作目の再演なのですが、それだけに十分こなれている感じです。人間がやっている以上、1回目よりは2回目、2回目よりは3回目、よりよくしていこうと思いますものね。

私はあの「黒執事」をこうしてそのままミュージカルにできてしまうことそのものに感動してしまいました。

でも、登場人物は同じで原作のエピソードを部分的に取り入れている箇所もありながら、ストーリーは完全なオリジナルなのです。

(この先はネタバレです。)
死神なのに死をもたらす相手である人間に同情してしまう死神、アラン。
なのにそのアランになぜか、死神が人間に死をもたらすが故に背負う「業」のようなものである「死の棘」という病が襲いかかり、彼はそれに苦しんでいます。

そしてそのアランを大切に思い、その病を癒やせるたった一つの方法を実行に移す死神エリック。でも「方法」たっておとぎ話のような、要はやってみたってホントに病が治るのか分からない不確実なものではあるのですが…エリックとしては万に一つでも可能性があるのならそれに賭けてみたいと思った。

その方法が千の魂を集めることだったのです。

死神は通常、死亡予定者リストに載っている人間を淡々と審査して淡々と魂を奪うのですが、エリックが魂を集めた人間は当然リストには載っていないので、死神派遣協会にも追われる身となる。

そして、その原因不明の死に、女王の番犬である悪の貴族、シエル・ファントムハイヴとその執事セバスチャン・ミカエリスも捜査に乗り出す、と。
捜査というかシエル達の場合は、犯人が分かったらその犯人を排除することが役割なんですけども。

アランのために999人の罪のない人間を殺害し、魂を集めたエリック。でも最後の一つで失敗する。

エリックを捕らえようとしたシエルを1000個目の魂にしようとエリックがシエルを襲った瞬間に、それ以上、エリックに罪を重ねさせたくなかったアランがシエルをかばってその刃に倒れる。

友を助けるためならどんな非道い罪を背負おうともためらわずに人間を殺し続けたエリックの願いは、最後の最後にその友の行為によって阻まれる。
それどころか大切な友を自分の手で殺してしまう。

絶望したエリックをシエルの命令によりセバスチャンが殺す。

そうして事件は解決します。

…こうやって書くと全く救いのない陰惨な物語ですね。

シエルは最後に言います。くだらない事件だったと(「つまらない」事件だったかな?)。

ちょうど私もそう思っていたので、なんだかシエルの不埒な言い草にちょっと救われてしまいました。

死神なのに死を恐れ、死神なのに孤独を恐れる、なんてね。

「一人で生まれ、一人で死ぬ」
そんなことは人間にとっては当たり前のことです。
理不尽なことも、逃れられない運命も、かなわない願いも全て、当たり前です。

シエルは、もしかしたらエリックのしたことを一番よく分かっていたのかもしれません。
守りたいものを守ろうとして999人の人間を殺害した死神。
運命に屈することをよしとしないのなら、そこから力ずくで這い上がるしかない。
それはシエルもやってきたことだから。

でも弱かったらさだめを跳ね返すことはできはしない。
シエルは女王の命令により死神を始末した。
そこにはただ強い者が弱い者を排除した図式があるだけで。
その絶対的な価値観の前には善も悪も存在しません。
ただし自分のやったことは自分に跳ね返る。それもまた真実。
シエルもその覚悟は当然あって…「黒執事」にハッピーエンドはあり得ません。
いたいけな少年の魂が悪魔に喰われて終わる。

その凄惨な結末が分かっていても束の間のひとときに夢を見る私たち。

セバスチャンなら
「だから人間って面白いんですよね」
とか言いそう。

くだらないんだけど…
そう、999個の魂が結局何の意味も為さずに天に昇っていく光景がたとえようもなく美しかったように。
アランとエリックの歌は美しかったな。

ひとりきりで生まれ、ひとりきりで死んでいく。
さだめだと分かっていてもそれをつらく悲しく感じるのはなぜなのか。
そして…そういう孤独を感じている者同士が出会い、永遠の生を共に歩む。

くだらない夢かもしれないけれど、人間ってのはそういうのにロマンを感じる生き物なんですわ。そう、私もね。

いや、ベタといえばもちろんベタですよ。でも私はこういうベタな話が好きなのー♪

『ミュージカル「黒執事」-千の魂と堕ちた死神-』、6月9日には、千秋楽の舞台が全国の映画館で「ライブ・ビューイング」されることが決まっていますのでまだ見ていない方は(これだけネタバレしてて「見ていない方は」もないものですが)ぜひ♪

19日の舞台ではアンコールの最後に「フェニックス」のポーズを披露してくれました(笑)
こういうファンサービス、最高に嬉しいです♪

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2009.06.08

美女揃いのルーブル美術館展

 先日、東京・上野のルーブル美術館展へ行ってきました。
 
 フランスのパリへは一度だけいったことがあって、ルーブル美術館も行ったんですが、海外旅行では、私は美術館へ行くのはこりごりです。日本の美術館じゃ考えられないほどヨーロッパの美術館て美術品がどっさりあるんですよ。ルーブルなんてそうじゃなくてもものすごく広いですから、ちょっと行っただけじゃ見きれないし、仮に見きれたとしても、何百点も見たらお腹いっぱいで何がなにやら、だろうな。

 ルーブルの絵画は、数多の所蔵品の中でも厳選された作品が、日本にやってきて公開されたときにありがたく拝見するのがいい。激混みなのは覚悟の上でもね。

 今回のルーブル美術館展は17世紀の作品を中心にした展覧会でした。
 難しいうんちくを語っても仕方ないので、ミーハーな私が感想を書くとするとこうなります。

「なんって美しい女性ばかりなのかしら♪」

 女性でも、いえ女性だからこそかもしれませんが、純粋に「女性の美」に圧倒的な魅力を感じます。

 まず入って、「マリー・ド・メディシスの肖像」の壮麗さ、「ド・ブロア嬢と推定される少女の肖像」のかわいらしさ(はだしにサンダルがまたお茶目なのです)に釘付け。ベラスケスの「王女マルガリータの肖像」も期待に違わぬ可愛さです。

 展示会の後半は17世紀なので宗教画が続くのですが、天使や神話に登場する美女たちの美しさといったら、これがまた…。特に受胎告知の「聖母」と「天使」のワンセットなんて、ずっと絵の前から離れたくないくらいでした。
 他に「6人の人物の前に現れる無限罪の聖母」「エスランの聖母」は聖母が本当に見ているだけで癒される感じですし、「アンドロメダを救うペルセウス」「アイネイアスの傷口にディクタムナスお薬液を注ぐウェヌス」は、女神や神話の美女が美しい裸身で描かれているわけですが、その中でも極めつけが…

 「バテシバ」という裸婦の絵画。きれいだぁ~。胸元のラインが美しすぎて、目がつぶれそう。
図録によると、バテシバというのは、聖書物語の中の人物だそうですが、まあ、背景が分からずとも、この絵の女性の美しさは見る人の心を捉えます。

 もし男性が、ルーブル美術館展を見て、同じ感想を書いたら、きっと女性陣から総すかんを食うんだろうな。
 いくら絵画なんだから別次元だろうと行っても、正直、私ももし恋人がいて、横でしきりに「あの絵の女性は美しかった」と何度も言われたら、ムカムカしてきそう(苦笑)。かわいそうだなぁ、男性の方々って。
 私は女性なので、惜しみなく美しい女性には美しいと言えますのよ。こういうとき女性は得だわ。
 
 もちろん展覧会には、女性の絵画だけでなく風景画や静物画や男性の絵画もあったんですが、これら女性の美しさの前ではかすんでしまいます。
 女性の美はすばらしい。そしておそらくそれが美しいと感じるのは、永遠ではないからなのかもしれません。

 絵画はそれを絵画として永遠に残すことができる。これを「奇跡」と言わずして何と言おうか。

 行ったのが金曜日の夜だったので、「レンブラントって誰?」って周り中に聞こえる声でおしゃべりしている女子学生のグループや、人混みの中、パートナーの女性をかっこよくかばおうとして妙な動きを見せるカップル(けっこう困るのよね)に混じって、背広にネクタイ姿の男性も目立ちました。そういう男性陣はルーブル美術館展をどう見られたんでしょうね。 聞いてみたいな。

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2008.08.10

「ガラスの仮面」が音楽劇に♪

なんと、なんと、なんとーーー!!!
あの「ガラスの仮面」そのものが劇になって舞台で上演されております。

音楽劇「ガラスの仮面」/彩の国さいたま劇場
8月8日~8月24日

友達がチケットをとってくれて見に行ったのですが、元より中学時代は演劇部、「ガラスの仮面」のコミックも全部読んでいますし、先日、恩田陸の「チョコレートコスモス」を読んだばかりでもありまして、「ガラスの仮面」の舞台なんて・・・うーん、かなりどきどき。
好きなコミックや小説が映画やアニメなどになると、期待が大きすぎて、はずすこともよくありますからねぇ^^;

と、思いつつ、見に行きましたが、この「音楽劇」、かなり、いい出来ですよ♪

もちろんこの劇は長大な原作のほんのさわりなのですが、ちゃんと一つの音楽劇として完結している。それでいて「ガラスの仮面」のファンが見るならおさえておきたいポイントもおさえてる。脚本もいいいんだなぁ。

そして「蜷川幸雄」(私は知らなかったんですが、ユニークな演出で有名な方だそうです)という方の演出もとても・・・私は好き♪ 引き込まれました。
「ガラスの仮面」の中でもこれは物語の後の方ですが、黒沼さんという監督がマヤが主演の「狼少女ジェーン」を演出したときに、『へー、いろんな演出があるんだなぁ』みたいなところがあるわけで。それを地でいってるノリを感じましたわ~

物語としては、マヤが劇団月影に入り全国大会に出るところまでのお話で。
もうかなり昔に読んだので忘れていたところもあるのですが、ここまでのお話を劇にすると・・・そうか、こういう演出になるのかと。『うまいなぁ』と思いました。いや、その・・・ネタバレになるかなぁ・・・いいや、書いちゃえ。

冒頭、この音楽劇は、劇が始まる前から幕が開いていて、客席から次々と荷物を抱えた青年たちが舞台に上がっていきます。舞台では、バックステージツアーということで、観客が舞台の裏を見学していたりもする。それが客席の座っている客からも見えるわけです。
舞台には次々に人が集まってくる。それぞれに舞台の上で準備運動とかを始めている。携帯で何かしゃべったり、友人同士で声をかけあったりもしている。みんな劇団の青年たちという設定。すっごいリアルです。
どこまでが演出か分からないうちに(いや、全部演出なのでしょうが(笑))舞台で、劇団のレッスンが始まります。

ガラスの仮面はマヤと月影先生の話なのですが、一方で、演劇が好きで、頑張る劇団員たちがいる「現実」が背景になっている。全国大会で出てくる「劇団一角獣」なんかホンモノみたいだった^^ 劇団オンディーヌのレッスン風景もホンモノみたいでしたよ。そういう、「劇団」の様子をリアルに表現することが、そのまんま演出なのですね。

もちろん、本筋となるマヤのお話もすごい。
大和田美帆、熱演です。これがないと、この劇そのものに説得力がないものなぁ。思わず引き込まれました。てか、よく舞台で「北島マヤ」を演じようとする女優がいたな、と思います。これを演れる役者がいなかったら、舞台そのものが成立しない。
この劇を見に来るほとんどの人は「ガラスの仮面」をよく知っていて、北島マヤがどんな天才かをよく知っているはずですから、その人たちが納得するマヤを演じることってかなりの勇気と度胸がないとできませんよ~。

そして、夏木マリの月影先生がまた・・・もうはまってます♪
すごいわね。何か憑いてるとしか思えん(笑)。テレビドラマの野際陽子もはまってましたが、夏木マリはそれ以上です。ビジュアルだけでなく、演技が、マヤに対して演劇というものを語る様子そのものがすごいです。月影先生そのものだ~
これを見るだけでも、ぜひ「ガラスの仮面」を好きなファンには、この音楽劇を見ていただきたい!!

 実は「彩の国さいたま劇場」は、私の住まいからは自転車でいけまして。さいたまに住んでけっこう長くなりますが、初めていきました。なんだか、とてもいい設備のある舞台ですよ。
 舞台の上に雨を降らせる装置があり、この音楽劇でも雨のシーンがいくつかありましたが、別にガラスの仮面では、リアルの雨を降らせる必然性はないのになぁ。せっかくそういう装置があるから使ったのかな(笑)。中島みゆきさんの「夜会」の「問う女」をこの舞台でやったらぴったりなのにな~。

 と最後は趣味に走りましたが・・・「ガラスの仮面」の音楽劇、ぜひ興味のある方はどうぞ。まだちょっと空席もあるようです^^

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2007.11.24

ミュージカル「ウィキッド」のお話

 汐留の電通四季劇場でやっている、劇団四季のミュージカル「WICKED(ウィキッド)」を見てまいりました。
 うわ・・・これ、ものすごい、ツボだ^^;;;;

 このお話は、「誰も知らないもう一つのオズの物語」と副題があります。有名な「オズの魔法使い」の物語のサイドストーリーなんですよ。私は小さい頃、世界名作全集を読んで育ちましたが、その中でもやはり「オズの魔法使い」は面白かったですねー。読んでいる自分と同世代の女の子、ドロシーが主人公だったからかしら。

 アメリカのカンザスから、竜巻に巻き込まれ、家ごと、オズの国に運ばれてしまうドロシー。
 自分の家に帰る方法を探すため、何でもかなえてくれるという大魔法使いオズに会いに、エメラルドの都に向かいます。道中、頭脳が欲しいかかし、心が欲しいブリキのきこり、勇気が欲しいライオンを道連れに得て、さらにオズに会った後も幾多の試練を乗り越えて、最後には、ふるさとに戻ることができます。

・・・というのが「オズの魔法使い」というお話ですが。

 「ウィキッド」にはドロシーは出てきません。
 この物語は、オズの魔法使いでは悪い魔女とされている、敵役の魔女が主人公です。

 詳しいあらすじは書いちゃうとネタばれだからなぁ~ 書けませんが。 

 主人公の、後に「悪い魔女」と言われドロシーに退治されることになってしまうエルファバ。
 すごくこう・・・なんというか・・・ええい、書いちゃえ。私自身にかぶるんです。
 強い劣等感を背負い、それに負けまいとして強くなろうとする女性。でも、ほんとは自分がどうみんなに見られているかとっても気になっているんですよねぇ。

 その中で、自分と正反対の女性、グリンダと出会い、最初は互いにまるで理解し合えなくて「大嫌い」なんですけど、その中であることをきっかけに培われる友情。グリンダがただのオバカさんじゃなくてよかったなぁ~~
 そしてもう一人の、オバカさんを気取る男、フィエロ。そう、男も意外とオバカさんばかりじゃないのよね(爆)
「俺には何も言わせない気か」
 とエルファバに迫った瞬間のセリフに、なぜかどきっとしました。
 私も、相手の気持ちはこうだと思いこんでいて、自分がしゃべってばかりいる時があったんだろうな~(遠い目)

 エルファバとグリンダ。二人の女性が、オズの物語の中で、それぞれの人生を歩き、時に本気の殴り合いのケンカをしたりなんかしながら・・・生きていく物語です。

 うーん、いいなぁ、これ。
 
 「物事を違う側面から見ているからね」
なんてセリフが、途中、登場するのですが、それはこの「ウィキッド」そのもののことなんですよね。ドロシーを主人公にしたオズの物語では見えないお話です。

 また・・・グリンダとエルファバ、そしてフィエロはいい人たちなのですが。
 それ以外の登場人物については、なんというか人間の「どうしようもない」側面もこのミュージカルでは見せ付けられます。たとえばエルファバの妹、ネッサローズとその思い人、ボック。
 「片思い」ってのは業の深いものなのだなぁと^^; どうしようもなく人を傷つける。誰が悪いわけでもないのに、誰にもどうすることもできない悲劇を呼ぶ。その辺りもかなり胸に痛く響いてきました。

 とても面白かったです。みなさんも興味があったら、ぜひ。
 「オズの魔法使い」を知っている全ての人に必見のミュージカルです。
 

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2007.11.18

フェルメール「牛乳を注ぐ女」

  Midtown_3
国立新美術館で、今、フェルメールの「牛乳を注ぐ女」という絵画が展示されています。今日、見て参りました。
 小さい作品なんですけどね。とてもやっぱりいい絵です。ラピスラズリを使った青が鮮やかで。そして白い壁と人物の配置の陰影。とても強い印象を残す絵です。
 今回の展示は、そのほか「オランダの風俗画展」ということで、オランダの風俗を描いた作品が展示されていました。なかなか楽しかったです。

 展示は絵画だけではなくて、当時の風物を感じさせる、楽器の展示などもありました。リュート、シタールなど、名前しか知らない楽器の実物に思わず見入ってしまいましたが、その展示室の奥に、「牛乳を注ぐ女」に描かれている風景が再現されています。
 パンかごや壁にかかったかご、テーブル、壺・・・
 ユニークな展示でしたね~
「うわ~ホンモノだ~!」
 って感じでした。

 さて、新美術館の後は、東京ミッドタウンの「Toshi Yoroizuka」というデザートとスイーツのお店でお茶をしてきました。このお店、すごい人気で、今日などは美術展を見る前の10時半くらいに行って、見終わった後、2時過ぎの予約がとれました。2時にお店にいってみれば、なんと、その時間に予約したら、夜の8時以降の入店になるそうで。おそるべし!

 とにかくそういうわけで入店。
 デザートは6品くらいの中から選ぶのですが、大層迷い、私は「柿のグラタン」に。友人は「和栗のモンブラン」。席はカウンター式で、目の前でデザートを作ってくれている、製造過程も見ることができました。それに私は席もよく、他のお客さんのオーダーも見ることができて、自分のメニュー以外も目で楽しむことができましたわ。

 デザートはとてもおいしいのはもちろんですが、量的にもたっぷりあって、とても満足できます。でも、1種類だけじゃなくて、二人で3種類、中には4種類とかオーダーする人もいて「すごーい」って感じ。私は「柿のグラタン」だけで充分でしたが^^; 隣の方がオーダーされていた洋ナシのコンポートなど、丸々1個でてくるんです。お昼食べないで行って正解。
 またいつか行きたいな。こういうお店はそうしょっちゅうでなくてもいい。
 たまに行ってリッチな気分を味わうのがよいと思います。甘いものや極上スイーツがお好きな方はぜひ♪

 ケーキの写真は、「柿のグラタン」「和栗のモンブラン」「洋ナシのコンポート」です~

Kaki
Tosiyoroizuka1

Younasi

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2007.06.14

モネ大回顧展

 平日に休みをとりまして、六本木の国立新美術館で開催中の「モネ大回顧展」へ行ってきました。

 一言・・・素晴らしかったです♪

 この展覧会、モネが好きな人は、何を置いても見に行かなくては!
 国内外のモネの作品が一度に、あんなに見られる展覧会なんてそうそうないです。特にモネの場合、同じモチーフを、時間や季節を変えて連作している絵画が多数ありますが、普段はいろんな美術館に分散しているものを、この展覧会では、並べて見ることができます。

 面白いですよ~♪
 同じ風景の絵画でも、これだけ違うのか・・・と。一品だけ見るのと、そうやって複数を見るのとでは印象が違ってきます。こんなにぜいたくな展覧会初めて!!

 おなじみの「睡蓮」を始め、ポプラ並木や積みわらなど、同じモチーフの作品がたくさん並んでいるところを見ると、モネという画家の物の見方、捉え方が伝わってきます。我が埼玉の県立美術館所蔵の「積みわら」もありました♪ ちょっと嬉しいですね~

 なんだか、ほんと面白い。こんなふうに美術展を見たのが初めてで。

 モネは日本国内で人気のある画家なのでで、よく見ると、日本の美術館が所蔵している作品がたくさんありました。
「あー、この作品はここの所蔵なんだ。ここ行けば、この絵を見られるんだな~」
 なんて思うのも楽しい。

 中には個人蔵の作品もあって、この展覧会のために、出品してくれてるわけですね。
 ふふ・・・ひそかに自分もモネを持っている人がいたら、これだけの規模のモネ大回顧展なのに、オレの所蔵品はなんで声がかからないんだ、なんて思うかも~(笑)。

 いっしょに行った友達と話していたのですが、モネの絵画の所蔵リスト、なんて調べればすぐ分かるんですかねー。
 国立新美術館のこけら落としとは言え、これだけの作品を集めるのはどれだけの費用がかかるのかしら。少なくとも、フランスのオルセー美術館から取り寄せるだけだって、輸送代、万が一の保険代、警備など、きっと大変でしたよね。国内の美術館だって、お声掛けをして所蔵品をご提供いただかなきゃいけないですから、大変なことですわ。準備とか大変だったんだろうな・・・

 そういういろんな意味で。私自身が見た中でも前代未聞の美術展です。

 7月2日までですが、会期末が近づけば大混雑が予想されます。だって一度見てもまた見たい人、多そうだもの。行きたい方は一刻もお早めに行って下さい。私も平日の午前中に行ったのにも関わらず、人が多くててびっくりです。でも、人混み覚悟でも行く価値あり。見たい人は、絶対、見逃さないで下さいね。

 美術展を見た後は六本木の新名所、東京ミッドタウンで食事をして帰りました。楽しかったです^^

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2007.03.18

「シュルレアリスム展」とマグリットの空

 埼玉近代美術館の「シュルレアリスム展」が3月25日までなので、そろそろ行っておこうと、昨日、見に行ってきました。偶然、学芸員によるギャラリートークも聞けたので、ちょっとラッキー。聞かなければ、ダリの絵の隠された意味や、「オートマティスム(自動筆記)」のこと、分かりませんでした。大好きなルネ・マグリットの絵もあり、なかなか楽しかったです。

 「オートマティスム(自動筆記)」について少し。
 ギャラリートークの聞きかじりですが、シュルレアリスムは、そもそも、人の心の中の、理性の向こう側にある無意識の世界を描きだそうとした試みなのだそうです。「オートマティスム(自動筆記)」はその手法の一つ。
 いろいろな無意識の所作で現れてくる無意味な模様を、絵画作品としてまとめ、理性で表せないものを表現しようとした、ということですね。

 たとえばコラージュ(貼り付け)。
 いろいろなものを貼り付けた絵画は、そういえば、この日の埼玉近代美術館の常設展で、靉嘔という人の作品にもありました。ベビーパウダーの缶やら、絵筆や、刷毛など、いろんなものが絵に貼り付けてありました。一見、なんでこんなものが美術作品になってるのかわけが分からないのですが・・・一つ一つの事物というよりも、それを総体としてみたときに、感じられる無意識の何か。コラージュの作品というのはそういうものを表現しているらしい。
・・・へぇ~~
 企画展の方ではエルンストのコラージュの解説が面白かったです。この人、古本や、既存の雑誌の挿絵などを切り抜いて貼り付けて、作品を作っています。そんな美術作品ってありなの!?
 フロッタージュ(こすりだし)の方では、同じくエルンストが、樹の木目やコインのこすりだした模様を作品にしたものが展示されていました。ふむ。

 ・・・シュルレアリスムということはそういうことなのか・・・
 今まであまりちゃんと考えたことがなかったです。

 なんというか・・・私は今まで、ダリやマグリットは、見た人の反応を計算してああいう絵を描いているのかと、思っていたんです。
 でもそもそも「シュルレアリスム」はそういう理性の世界を否定するものですから、ダリは、きっと理屈ぬきで自分の心の世界を絵にし、マグリットはあり得ない事物を一つの絵画にいっしょに描き表すことによって、理性の向こう側にある世界を表現している。It’s SURREALISME. 
 
 へー・・・そういう視点で、マグリットの絵を見たことがなかった。ただ、絵の面白さだけに魅力を感じておりました。ギャラリートーク、聞けてよかった。

 そしてその日の帰り。埼京線に乗って、ぼんやりと電車の外を眺めていたら。
 昨日は風がとても強い日でありました。埼京線というのは高架になっているので、夕暮れ近くの広い空が大パノラマとなって車窓に広がっています。強い風にあおられた雲が、空に不可思議でダイナミックな模様を描いておりました。なんとなく、感動して空に見入ってしまいました。

 ・・・そうか。自動筆記というものがあるなら、まさにこれかも。

 空の雲の姿にはなんの意図も意味もありませんが、それを見る人間の心から無意識の何かが投影されています。
 おそらく、マグリットが空をモチーフにして、「大家族」とか「心の琴線」とか「無限の感謝」など素敵な作品をたくさん描いたのもそのせいかもしれません。

 【和漢箋服用後三週間目】※和漢箋使用開始時を0とする
日曜日 -1.6キロ 13781歩 
月曜日 -1.4キロ 10783歩
火曜日 -1.2キロ 10024歩
水曜日 -1.4キロ 10555歩
木曜日 -1.0キロ  8156歩
金曜日 -1.0キロ  8685歩
土曜日 -1.6キロ 11541歩
日曜日 -2.0キロ 

※来ました!二キロ減! やせる時期に入ったので、ここで畳み掛けたいところ。当面、2キロ減、定着を目標としつつ引き続き推移を見守ります。

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2007.03.12

川村美術館と大日本インキ化学工業㈱

 日曜日に、友達ご夫婦と、千葉県の佐倉市にある「川村記念美術館」という美術館へ行きました。
 とても美しい風景の中に立地する、オシャレで趣のある素敵な場所です。

 この美術館は、リンク先をご覧になると分かりますが、大日本インキ化学工業株式会社及びそのグループが設立した私設の美術館です。
 私設の美術館だから、たいしたことないと思ったら、とんでもない。ルノワール、ピカソ、シャガール、レンブラント・・・すごいコレクションがそろっています。私の好きなルネ・マグリットもありました♪

 大日本インキ化学工業は、創業明治41年、資本金824億という堂々たる大企業でして・・・いやぁ、すごいですよねー。詳しい経緯は分からないのですが、資本金100万のインキ会社からここまでになるなんて。日本は60年くらい前に大きな戦争を経験してますから、基本的にはみんな0から出発してこういう大企業になってるんだなぁと思うとなんだか感動してしまいます。いえ、諸外国だと貴族だとか財閥とかあって大金持ちがいてもそんなに不思議じゃないですが。
 大日本インキ化学工業株式会社だって、東京に工場があったんだもんなぁ・・・戦争の影響ってあったんだろうになぁ・・・
 
 いえ、なんかね。
 お金があって。そしたら絵を収集して、こうして美術館を建てて、それをこうして美しい景色の中で、一般の人、みんなが見ることができる、なんてね。企業の理想だなぁ~~~と思っちゃって。
 
 何に感動したって、私はもしかしたら、そのことに一番感動したかもしれません。ちょっと単純でかしら^^
 もちろん絵もとてもすばらしかったです。
 ちょっと都内からは遠いところにあり、車で行っても場所が分かりにくいのですが、一度ぜひどうぞ。美術館を出て広い敷地内を歩くと、もう菜の花が満開でした。彼岸桜も咲いていました。 

【和漢箋服用後三週間目】※和漢箋使用開始時を0とする
日曜日 -1.6キロ 13781歩 
月曜日 -1.4キロ

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2006.09.17

「ピカソとモディリアーニの時代」

 友達の雀さんのお誘いで、渋谷のbunkamuraザ・ミュージアムで開催されている絵画展に行ってきました。タイトルは、「ピカソとモディリアーニの時代」。北フランスの「リール美術館」所蔵のコレクションらしいです。

 モディリアーニという画家の作品は、目が青くベタに塗られた人物画が有名です。一目見ると忘れられない印象的な絵画なので、私も「モディリアーニ」は記憶しているのですが、絵画の好みからいうと、今一・・・(おい)
 なので、今回の自分的メインは「ピカソ」!
5月の連休に、箱根の「彫刻の森美術館」のピカソ館にいったんですが、ピカソがデザインしたお皿しか置いてなくて、まあ、それはそれでもいいのですが、ちょっと消化不良だったのです。
 今回の展示では・・・やはりやってくれますねーピカソ(笑)。私、あの、キュビズムの「なんだ、こりゃ?」な感じが大好きなのです。うーん、絵画鑑賞というよりは、ホラー映画好きがどんどん怖いホラーにはまっていく感じと似ていますか!?(笑)
 特にやはり、これでしょう、「帽子を被った女」。(今、手元の買ってきた絵葉書をチェックしたら、買うの忘れてきました^^; ネット上に画像があってよかったです・・・)とっても「THE ピカソ」って感じの絵ですよねー。
 
 しかし、今回、リール美術館所蔵の絵画は、いろいろ新しい発見がありました。
 極めつけは「ミロ」。「ミロって誰よ?」って感じなんですけど、なんか、すごいですよ、この人。冒頭にご紹介したbunkamuraのこの展覧会の紹介ページをもう一度見てみてください。中ほどにミロの「顔」とタイトルのついた絵があるんですが・・・あははは。思わず笑ってしまった。
 世の中、ピカソ以上にぶっとんだ人っているんですね^^
 リール美術館ってこういう作品ばかりが所蔵されているのか・・・すごいなぁ。

 絵を見るのって好きです。ゴッホとかもいいなぁと思うし、印象派の作品も好きだし、けっこうなんでも好き嫌いなく見られる方です。有名で高名な作品以外にも、もちろん黒井健さんのイラストのファンでもありますし、この間は、KAGAYAさんの画、いいなぁ~と思いましたし。パリへいって、美術館めぐりばかりしちゃうほどの、マニアではないので、多分ミーハーなのでしょう^^
 この秋は、bunkamuraで、このあと11月から開催される「スーパーエッシャー展」や、上野の「ダリ回顧展」も見に行きたいな。しまった、前売り券を買ってくればよかったな。失敗~

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