2021.03.20

見送り(poem(110)より再掲)

2015年の3月に書いた「見送り」という詩を再掲します。

たかが人事異動、昔は淋しくなることなんてなかったのにな。

最近になって、何気なく「またね」なんて別れてそれでもう二度と会えないこともあるんだって分ったせいか、今までこんなに一緒にいろんなことをやってきたのにもう二度とこの日々は戻らないんだってことがとても切なく感じられるようになってきました。

この3月も、任期が終わり去っていく人がいます。

2年一緒にやってきて、本当にお世話になって感謝の気持ちでいっぱいですが、伝えきれる自信がまるでないな。

今日はささやかながら餞別の品を買ってきました。どうか思いが伝わりますように。

「見送り」

3月 たくさんの人が職場を去っていく
定年退職の人
異動の人
出向する人
出向で来ていて元の職場に戻る人

私はもうしばらくここに残る
桜の中 みなを送る立場だ

人の出会いは一期一会
もう二度と会わない人もいるだろう

去る側よりも
見送る側
残される側
置いていかれる側に
私はなることが多いのだけど

きっとそれは私だけじゃないんだろう
生きている限りずっと人は
誰もみな見送る側にいるのだから

去っていく人達に
敬意と
愛情と
いたわりと
エールと
そしてありったけの感謝をこめて

「ありがとう
 私もここでがんばるから
 あなたもがんばって」

かける言葉はこれだけ

分っていたはずなのに
どうしてだろう この春は
大好きだった人達と会えなくなるのが
いつもよりちょっとだけ余計に 
さみしい

優しくしてもらったこと
頼ってもらったこと
悩みを打ち明けてくれたこと
今になってそれがとても懐かしい

いつか思い出になり
忙しさに紛れて忘れてしまうまで
一時 このさみしさとともに
涙がこぼれないように
桜を見上げようか

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2021.01.23

「ひとりひとり」谷川俊太郎

谷川俊太郎さんの詩は、子供の頃、国語の教科書で「生きる」で出会い、「二十憶光年の孤独」とかも大好きですが、最近になってから「読書メーター」というサイトで、いろいろな方の読書記録を読んでいる内に、他にもある傑作とポツポツ出会っています。

「あさ」とかもいいよねぇ。

今回ご紹介するのは以下の詩。全文引用するのはちょっと気が引けるのですが、ぜひもっと知られて欲しいし、みんなに読んで欲しい詩です。

(引用開始)

     ひとりひとり 谷川俊太郎

ひとりひとり

違う目と鼻と口をもち

ひとりひとり

同じ青空を見上げる

 

ひとりひとり

違う顔と名前をもち

ひとりひとり

よく似たため息をつく

 

ひとりひとり

違う小さな物語を生きて

ひとりひとり

大きな物語に呑みこまれる

 

ひとりひとり

ひとりぼっちで考えている

ひとりひとり

ひとりでいたくないと

 

ひとりひとり

簡単にふたりにならない

ひとりひとり

だから手がつなげる

 

ひとりひとり

たがいに出会うとき

ひとりひとり

それぞれの自分を見つける

 

ひとりひとり

ひとり始まる明日は

ひとりひとり

違う昨日から生まれる

 

ひとりひとり

違う夢の話をして

ひとりひとり

いっしょに笑う

 

ひとりひとり

どんなに違っていても

ひとりひとり

ふるさとは同じこの地球

(引用終わり)

 

特に3フレーズ目が好きです。

 

 

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2021.01.19

poem(125)

「大人になるってことは」

大人になるってことは いろんなことに悩まなくなるってことなんじゃないか

だって子供の頃の私ときたら 本当に毎日 毎日 いろんなことに悩んでいた

太陽にいつか寿命がきて その時地球が滅びてしまうことや

地球に住む人間を何度も皆殺しにできる核兵器が地球上にあることや

人間がいつかは死んでしまうことや

自分の母が死んでしまったらそのときに自分がどうなってしまうのかとか

 

それなのに大人になった今

世界中で新型コロナウィルスによる新型肺炎が流行し

日々多くの人が感染し 入院もできないまま自宅で亡くなる人もいて

緊急事態宣言が出て 外出も外食も思うようにできなくなって

休みの度に計画していた旅行や

友人と会っておしゃべりしたり食事したりすることもなく

毎日たった一人で家で仕事して 誰とも話さず 誰とも接せず

家で自分で作った食事を黙々と食べ

そうしてまた週末がやってきて

家に閉じこもってテレビで今日の新型コロナウィルスの新規感染者数をチェックする

平日も休日もほとんど何も変わらない

どこへも行かず変化もなく でも年だけはとっていく

そんな日々なのに

普通に寝て起きて暮らしている自分がいてさ

 

大人になるってことは

いろんなことに悩まなくなること

いつか死ぬことだって怖くなくなるのだろう

それでいいんだろうか

それで本当にいいんだろうか

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2020.12.27

poem(124)

「天命2」

これまでずっと探していたけれど

どうやら私には「天命」というものがないらしい

自由でいることが好きな私は

何と天の命令からも自由だったんだ

 

何をしてもいい

何にも縛られない

わくわくしてきたよ

さあ これから 何を始めようか

 

以前、poem(118)で「天命」という記事を書きました。その最後を「そしたらそろそろ 見つけにいきましょうか 天命をね」と結んだんですが、その答えがこの詩です。どうも私には天命ってなかったらしいw でも、どこまでも自由で、どこまでも自分で決めた人生を歩んでいきたい私にとっては、もしかするとそれって、最高の天からのGIFTなのかもしれません。

 

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2020.01.10

poem(123)

もしも結婚したら

あなたにお願いがあります

毎日 花を買って

花瓶に生けて 玄関に飾ってもいいですか

あなたがこの家に帰ってくると一番最初に

その花を見ることになります

最初は面白くても

そのうち飽きて何も感じなくなってしまうかな

何を飾っても何も言ってくれなくなってしまうかな

 

私が風邪をひいて花を飾れなかったら

真っ先に気付いてほしい

ケンカしても

悲しいことがあっても

花を見てまたやり直したい

どんなことがあっても

二人で笑って暮らしていきたい

 

大好きなあなたに

毎日小さなサプライズ

 

そんなふうに共に生きるあなたと

次の人生ではどうか出会えますように

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2019.12.28

poem(122)

   幸せになるためにだけ

 

幸せになるためにだけ

頭は使え

 

未来のことをたくさん考えて

不安になったり

心配したり

疑ったりするけれど

 

明日の心配は明日すればいい

明日や

ましてや何ケ月も先 何年も先のことを心配して

落ち込んだりするな

 

今より良くなることだけ考えろ

そのために 今何をするのか

何をすべきなのかを考えろ

 

明日を憂うために心はあるんじゃない

幸せになるためにだけ

心は使え

 

 

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2019.11.18

poem(121)

『何のために生きているんだろう?』と

大人になった今でもたまに考えてしまうけど

 

きれいに洗って気持ちよく乾いたシーツと

布団カバーを寝具にセットして

もちろん枕カバーも替えて

ルンバに掃除してもらった部屋にいて

お気に入りの入浴剤を入れたお風呂に入り

ハーブの香りのシャンプー

シトラスの香りのハンドクリーム

ふかふかのバスタオル

ふわふわのパジャマ

おやすみを言ってお布団に入れば

他に何が必要だと言うんだろう

 

欲しいものは全て手に入れた

 

そう…きみ以外の全ては

 

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2018.04.07

poem(120)

「どうかよろしく」

一人で作って一人で食べるごはんもおいしいけど
外食でとびきりおいしいものを食べるなら
きみと二人がいい

行く先は自由きままに決めて
夜はビジネスホテルのシングルでのんびりする
一人旅もいいけれど
きれいな桜や雄大な山々や
きらめく湖畔のホテルでゆっくり過ごすなら
きみと二人がいい

他人といると緊張して
自分が相手にどう見られているかばかり気にしているけど
きみといたら一緒に笑えたし
きみとの旅はリラックスできた
きみが笑ってくれると私も楽しかった

自分よりも大事な誰か
自分が美味しいものを食べるよりも
きみがおいしいと言ってくれる方がうれしい

そう思えることがまさか私にもあるなんてね
一生に一度でもそう思えたことがあってよかった
一生に一度でもそう思わせてくれてありがとう

感謝の言葉はもうきみには届かないけど

神様 
私にそんな喜びをくれたあの人を
どうかよろしく

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2018.02.28

poem(119)

「再生」

やはり周囲がざわめきだすのは3月だ

新しい年が1月に静かに始まり
寒さに凍える2月が過ぎてゆき

何も動いていないように見えて
何も変わらないように見えて
不意に大きく動き出す

終わるものもあるけれど
全てが終わってしまうわけではない
そこから新しく始まる

つまり3月は「再生」の季節

私もまた
今年も古い夢に別れを告げて
春の訪れに始まりの歌を歌おう

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2018.02.16

poem(118)

「天命」

もうずいぶんと前の若い頃に私
「いいお嫁さんになりそう」
と言われたことがあります

きちんとした職場に勤めていて
誰かに紹介するにはいいお嬢さんだったんでしょう
美人ではないですけど

ただ当時
私はそう評されることが嫌でした
人間、いつ病気になるか分からない
それにけっこうずぼらで怠け者
掃除も洗濯も毎日はしません
いいお嬢さんに見えるのはそう体面を繕っているから
それは本当の私ではない

結婚して一生一緒に生きていくのに
本当の私でない私を気に入ってもらっても
じゃあ私が病気になったらどうするの
離婚するの?

私は子供の頃から親や学校や友達や
他人に嫌われることが怖くて
外側の自分を取り繕って生きてきました
それは楽なことではなかった

取り繕う必要がないところにいたい
誰にも見られたくない
一人にしてほしい
それが私の本当の望み

結婚するなら本当の私を愛してほしい
でも嫌われるのが怖いから本当の私を見せられない

それじゃ結婚できるわけがないし
むしろ結婚は自分の望みとは反対
そして自分が不美人なのは知ってたから
自分の食い扶持は自分で稼がなきゃと就職し
あれから幾年月
一人で無事幸せに今を生きています

ただ 外側の私と本当の私
どちらも私なんだと気づいたある日から
その両者はだいぶ近づいてきました
今でも洗濯や掃除は毎日してないけど
ずぼらで怠けることは好きだけど
本当の私も自分で思うよりもいろんなことができるのが分かったから
「本当の私は何もできないろくでなしだ」
と思わされてきたのはどうやら何かの「呪い」だったらしい

呪いを乗り越えるのにずいぶん時間がかかっちゃったな
今や何でも自分でできるようになって
幸せな生活を送っている私ですが

少子化問題や婚活に悩む若い女性の相談などを目にすると心が騒ぎます
今の私だったら
「外側の私」や「本当の私」に惑わされることなく誰かを愛せるかしら
信頼できる誰かの前でありのままの自分でいることができるかしら
そしてそうなるのがもっと早かったなら
私も子供を産んでお母さんになることができたのかな

それは決して後悔ではなくて
人生をやり直したとしても私はこうして生きるしかなかったからもういいんですけど
ではこれからの人生で
私にはまだできることがあるだろうか、と

不惑の年を迎えた頃に
「まだまだこのままじゃ終わらないよ」
と思ったっけ
その思いは今もあります
まだまだ人生は続く

そしたらそろそろ
見つけにいきましょうか
天命をね

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