中島みゆき

2017.03.18

「空港日誌」

 今年は、鳥取砂丘に例年にない大きな水たまりができているとのこと。
 それを見に20日に、羽田から鳥取まで飛行機でいくことにしたのですが、国内を移動する飛行機に乗る時にいつも中島みゆきの「空港日誌」という歌を思い出します。

 歌詞はこちら

 薬師丸ひろ子も歌っているらしいですが、そのバージョンは聞いたことありません。

 歌の舞台となっている空港は鳥取ではなく広島空港。

 広島空港で、恋人の男性がやってくるのを待つ女性。
 でも風が強くて、飛行機は広島空港には降りないようで。

 待っても待ち人は空港にはやってきません。

 でも、そもそも…
 どうやらその男性はその便に乗っていないようです。
「今夜の乗客は9人 乳飲み子が1人 女性が2人、あとは常連客 尋ねられた名前はありません」

 かつてその女性と男性は恋仲でしたがどうも不倫だったようです。
 想像で行間を埋めるとすると、彼は東京で勤務していたけど、何らかの理由で地方にとばされてしまう。
 私はそれが広島だったんじゃないかと想像しています。
 おそらく単身赴任だったのでしょう。そこで女性と出会う。いわゆる現地妻ですな。

「あの日にあなたが博多にいたという愛のアリバイを壊してあげたい
 写真ひとつでしあわせはたじろぐ」

 今は東京に戻った彼は、たまに出張で地方へ行くこともあるのでしょう。
 博多には支社があるのかな。
「出張で博多へ行く」と嘘をついて、実は広島の彼女に会いに来ることがあったのかも。

 女性は今日も空港で彼を待ちます。
 彼にとっては報われない地方勤務の日々だったかもしれないけれど、彼女にとっては愛した人との思い出の日々。

 東京には彼の妻や子供もいるんだろうな。
 地方勤務が終わり、東京に戻れば彼は戻ってはこない。
 そんなこと百もわかりきってるけど、でも、もしかしたらこの飛行機に彼が乗ってはいないか。
 
 切ない祈りとともに女性は今日もかつて彼がやってきた飛行機に合わせて空港へ。
 でも乗務員に尋ねても彼の名前は乗客名簿にはない。

 そう「羽田へ向かう道にさえ乗っていない」。
 女性がどんなに願ってももう彼は来ない。

 分かってる。もう彼との日々が戻ってこないことは。
 でもあきらめきれない。苦しい。だから…
「冷たい声で事実を告げて」

…いやぁ、切ない歌だなぁ…
 私はなんでこの歌が好きなのかしら。

 中島みゆきの歌ですが、曲調はどちらかというと明るめ。ゆったりしたバラードです。
 飛行機で空をゆくイメージにぴったりです。

 なんというか…どんなに望んでも叶わない夢、というのはやっぱりあって。
「分かってるんだけどね」
 と言いながらも…そうねぇ、あきらめきれないというのは違うかな。もう叶わないんだけど捨てられない。
 2人が恋人だった頃の思い出、愛された時の幸せ。
 そりゃ忘れられないよね。

 またあのゲートをくぐり出てくる彼の姿が見えないかと、もしかしたら乗客名簿に彼の名前がないかと、ついつい思ってしまう。

 私自身は不倫もそもそもそんな恋愛も経験したことないのですが、もし、この歌の女性に自分がかぶるんだとしたら、
「叶わないと分かっていても捨てられない『夢』とともに明日も生きていく」
というところかな。
 何が自分の夢だったかすらもう忘れそうですが、飛行機に乗って遠くへ行く瞬間に、ふと、その『夢』に触れたような気がします。
 なんでだろうな。何か、前世の記憶かしら(笑)。

 何を望んでこの世界に生まれてきたのか、どうも私はすっかり忘れてしまったようで、きっと死ぬまで思い出すことはないのかもしれないんですけど、もしかしたらその夢は私の場合、空港にあるのかもしれません。
 初めて見る砂丘も楽しみですが、飛行機も楽しみです。

 以降は余談。
 上記のようにきれいにまとめつつ、実は中島みゆきの「空港日誌」はそういうロマンティックな歌ではないような気もしています。

 女性は、男性が博多にいると嘘をついて広島にいたときの写真を、実際に東京の彼の家へ送りつけたんでしょう。
 きっと写真は他にもあって、それは彼が広島で妻以外の女性と不倫をしていたという証拠写真となります。
 なので、女性は男性にこう伝える。
「このままフェードアウトして関係解消を狙ってるなら、そんな都合のいいことにはさせないわ。もう広島にあなたが来ないなら、この写真を家だけじゃなく、会社にも送りつけてあげる。不倫がばれたらあなた、どうなるのかしらね。また地方勤務に戻りたい? 私はそれでもいいけどね(嗤)」

 でもそんな脅しをしても男性はもう来ないんだよなぁ~
 やっぱり切ないわね。片思いって。

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2016.07.05

生きていてもいいですか~献血する理由~

読売新聞の「発言小町」というコーナーに下記のような質問が出ていました。
「人はなぜ献血するのか」

回答もたくさん寄せられていますが、自分でも献血する理由を考えてみました。

先月も私は献血にいきました。前回は比重が基準に足りなくて200mlしかできませんでしたが、今回はばっちり。400ml採血してもらうことができました。
カードの記載によると、これで44回献血したことになります。

以前は、一生で100回を目指していましたが、血管が人より細いらしくそのせいで成分献血はできず、一回に採血する量が400mlになったら、女性は年間2回しかできなくなったので、100回は無理になってしまって。無念~

大学の時に学校に来ていた献血車に友人に誘われていったのが最初。
その後、学校に行ったのに急遽「休講」だったら、近くの献血ルームに行って、献血して帰る、というようなことをしばしばしていました。
まだ1回の採血が200mlだった頃です。

さらにその後、千葉、埼玉、東京など、いろいろな献血ルームにいくのが楽しみの一つになりました。買い物ついでに新宿の献血ルームにはよくいきました。
場所によって、アイスのサービスがあったり、記念品もそれぞれ。献血手帳が現在のようにカードではなく、それぞれの献血ルームでスタンプを押してもらえる方式だったので、古い献血手帳も取っておきコレクションにしていました。

手帳がカードになってからは履歴は手元には保存できなくなったので、意識していろいろな献血ルームに行くのはやめましたが、年に2回は献血するようにはしています。

その「理由」は、というと。
私は献血が「好き」なんですよね。

「好き」の理由を突き詰めて考えれば・・・

もし私が、自分に自信がある、もしくは、社会的に認められた芸術家だったり、政治家だったり、社長だったり、タレントだったり、スポーツ選手だったりしたら、それだけで社会貢献しているので、特段、献血に魅力を感じないかもしれません。

でも、私はいわゆる「その他大勢」ですからね…。
いてもいなくても、そんなに社会に影響があるわけではありません。

中島みゆきの昔のアルバムに「生きていてもいいですか」というタイトルのものがあります。
私も、普段はそんなに考えないのですが、自分の考え方の根っこのところにいつもこの問いがあって。

献血じゃなくてもいいのかもしれませんが、何かしらの形で自分が人の役に立てれば、その問いに答えられるような気がするんですよ。

以下は「生きていてもいいですか」のアルバムに入っている「エレーン」という曲の歌詞です。

(引用開始)

エレーン
「生きていてもいいですか」
と誰も問いたい

エレーン
その答えを誰もが知ってるから誰も問えない

(引用終わり)

「その答えを誰もが知ってる」?
「知ってるから問えない」?
 この意味、皆さんはどう思いますか。
 
 これって答えは「NO」ってことなんだろうと昔から私は思っています。
「YES」と誰かに言って欲しいから「問いたい」わけですが、答えが「NO」だったら怖くて訊けない。

献血は私にとって「YES」の答えそのものです。
生きて、人の役に立っている。
私がここにいることによって救われる命がある。

献血ができるということはその「証」です。

思っている以上に自分には大きな意味があることに、この記事を書いてみて改めて気づきました。

「生きていてもいいですか」
YESと答えてくれそうな友達もいますが、そんなことを訊くこと自体、笑われそうで訊けないです。

…いえ、私も年をとったので、本当は分かっているんですよ…。

「生きていてもいいですか」

その質問をして応えてくれる人は、おそらくこの世界に誰もいない。答えを出せるのは自分しかいない。
それでも私はこの世界が好きで、たぶん、この先も、献血はできる限り続けていくのだろうな。

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2012.03.24

荒野より・・・「走(そう)」

4)「走(そう)」

 アルバム「荒野より」のラストに入っている曲です。正月のスペシャル時代劇「忠臣蔵」のテーマ曲に使われていたんですけど、ちょっと忠臣蔵には合わなかった(汗) ドラマと切り離して聞いた方がよい感じです。

(以下「♪」は歌詞からの引用です)

♪応援はとうに終わっている
♪表彰はとうに終わっている
♪ちぎれ去ったテープも ゆき交った杯も伝説に変わっている

♪僕は迷っているのだろうか
♪僕は走っているのだろうか
♪約束の船は風の中 はるかな吹雪の中
♪どこまでもどこまでも荒野は続いている

♪たどり着けたら誰がいるだろう
♪力尽きたら誰が知るだろう
♪報われたなら その時泣こう
♪それまでは笑ってゆこう


・・・うわぁ~

 アルバム「荒野より」から何曲かご紹介してきましたが、自分で書いていても、最後がこれか、と思いました^^;

 最初に「バクです」について書いた記事に、夢を追い続けることは苦しいけど、それでも夢を見てしまうから、この世界から生きる苦しみは消えない、というようなことを書きましたが、どうやらそれは、荒野をたった一人で走り続け、報われるまでは涙も我慢して、いつか力尽きて倒れるまで続くようです。

 みゆきさんらしい結論というか、なんというか。
 
 無駄かもしれない、何の意味もない、そして走り続けてもそこにゴールがないかもしれない・・・人生ってそんなものかもしれない、と、もしかしたら、けっこう多くの人が人生の折り返しを過ぎると思い始めるわけですよ。

 そんなときにみゆきさんの「走(そう)」みたいな歌を聴く。
 
 ・・・うん。これはなんとなくの私の予感ですが、これで終わりではなくて、みゆきさんは、これからまだ、この「先」まで私たちを連れてってくれるんじゃないかという気がします。

 以前の「転生」というアルバムの「命のリレー」という歌では、

♪この一生だけではたどり着けないとしても
♪命のバトンつかんで願いを引き継いでいけ

 と歌われております。行きつくのはもしかしたらそこかな。アルバム「転生」の最後の曲は「無限・軌道」という歌。

♪誇らしくもなく珍しくもなく普通の暮らしの1日のように
♪ある朝、ある夜、君は乗るだろう
♪懐かしいあの人々と永遠をゆく鉄道の客となって

力尽きた先は無限へと続く。そう信じて恐れずに前に進みたいです。

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荒野より・・・「ギヴ・アンド・テイク」

その3)「ギヴ・アンド・テイク」

 中島みゆきさんの最新アルバム「荒野より」の8番目に入っている曲です。

(以下「♪」は歌詞からの引用です)

♪Give & Take 与えられることは
♪Give & Take 心苦しくて
♪困ってはいない 望んでもいない
♪そんなふうに言うのは返せない借りだと恐れてしまうから

 ♪Give & Take それは違うよ
 ♪Give & Take 僕は君からもらえる
 ♪君が受け取って呉れる ほら僕は貰えている

 みゆきさんの歌では、このテーマでは別のアルバムで「 I Love You,答えてくれ」というのがありまして、それで言い尽くされている気もしますが、ふと忘れたころにまたこういう曲が新曲として出てくるのは・・・

(みゆきさんも、忘れられない片思いの経験があるのかな~~)

 と私などは思ったりします。みゆきさん「も」と言う以上は、私もまた然り。「困ってはいない、望んでもいない」と言われてなんとも情けない気持ちになったっけなぁ。いやはや。今、思い返してもなんとも言えない気分になります。

 しかし、今までの経験で、私は「思う方」一辺倒であまり思われて困った経験はないのですが、人間はもっと愛するだけじゃなくて、愛されることもうまくならなければいけないよなぁと思うようになりました。

 相手の思いを受け取ること。
 それに相手の求めるようにではなくても、誠実に応えること。ホントはそれで充分。

 「返せない借り」だと思うのではなく、ね。

 そう思うようになれたのもまた、私自身が愛されることが苦手で、私が大好きな人もまた愛されることが非常に苦手なタイプだからです。似たもの同士だから好きになっちゃったってのもきっとあるのですが、それにしたって、もうちょっとうまく、互いが幸福になれるような片思いの終着点ってのもあるだろうと。

 私がその恋で「貰えた」ものは非常に大きく、借りはどちらかというと私の方にあるんだろうと、今でも私は思っていますが、そのことをどう伝えたら分ってもらえるのか。
 これについては、今も実は思い悩む日々です。

 みゆきさんがしばしばこのテーマで新曲を出してくるのは、みゆきさんも「分ってほしい」誰かがいるのかなぁ?

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荒野より・・・「BA-NA-NA」

その2) BA-NA-NA

 「BA-NA-NA」は、中島みゆきさんの最新アルバム「荒野より」の3番目に入っている曲です。
 「バク」の次が「バナナ」だなんて、どんなアルバムだよ、と、実はアルバムを買って最初に見た時には思いました(笑) 
 いえ、このアルバムの前に出たのが「真夜中の動物園」というアルバムで動物特集だったので、このアルバムも、そういうコンセプトなのかと・・・多分、違いますが。

(以下「♪」は歌詞からの引用です)

♪私には何が有る 他と比べずに何が有る
♪私には何が無い 他と比べずに何が無い
♪アジアの国に生まれ来て
♪アジアの水を飲みながら
♪アジアの土を這い 風を吸い
♪強い国の民を真似ては及ばず

 この「荒野より」というアルバムの中で、実はこの「BA-NA-NA」が、私は一番好きです。
 
 「強い国」というのが何を指すのか? どういう状況を想定して歌われる歌なのか?
 ついつい考えてしまう歌詞なんですが、みゆきさんは、いつも自分の曲に解説はほとんどしません。
 正解はない。あとはその曲を聴いた一人一人が、それぞれのイメージをしてよい、ということなのでしょう。

 今までのみゆきさんの作品の中でも、「アジア」を意識させる歌がいくつかあるのですが、そういう歌を聴くといつも、自分が「日本」というアジアの中の国の人間であることを強く思います。

 今日はこの曲を聴いていて、みゆきさんの歌、もっと海外の人にも聴いてほしいなぁとちょっと思いました。

 みゆきさんのアルバムの歌詞カードには、いつも英訳された歌詞がついています。この歌に込められたメッセージには日本にいる私たち以外の国の人、無論、アジア以外の人にとっても共感を呼ぶんじゃないかと。

最近は由紀さおりさんが海外で大ブレークするなど、日本で生まれた作品が欧米で認められることも多くなりました。みゆきさんももっと海外で売れないかなぁ。

 ちなみに上に引用した歌詞の内、最初の二行の英訳はこうなります。

♪What do I have? Without comparting to others,what do I have?
♪What do I lack? Without compating to others,what do I lack?

 このアルバムの7曲目には「ばりほれとんぜ」というタイトルの歌があります。
 「ばり」=すごく 「ほれとんぜ」=惚れちまったよ~!
 という意味のタイトルですが、これを英訳すると

「Really Crazy About You」

 となります。クレイジーね・・・いや、確かに! なんか笑っちゃいました。「ばりほれとんぜ」もなかなか楽しい曲ですよ。「ばり・惚れる」と人間、どうなってしまうのか、とても共感できる曲です。恋人の前で歌いたいわ。ひかれるかな(笑)

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荒野より・・・「バクです」

 本日、土曜日は、中島みゆきさんの曲だけを演奏する「ぷれなみ」(Let's play 中島みゆき、の略です)の仲間で集まって、バンド練習をする予定だったのですが、朝起きたらおなかがとんでもない事態になっておりました。

 トイレに入って、用を済ませて、トイレを出た瞬間に、また戻る、というのをしばらく繰り返して様子を見ていましたが、トイレから5m以上離れることがどうもできそうになく、仕方なく練習はお休みしました。

 う~、なんてことだ。

 結局、家に閉じこもっているのですが、気持ちはみゆきさんモードなので、先ほどより中島みゆきさんの最新アルバム「荒野より」を聞いています。

 なんだかいつもよりも今の気分にぴったりくる感じ。
 なんていうか・・・荒れ果てて、何もないところに一人という「荒野より」の気分です。

 「荒野より」というアルバムはキムタク主演のドラマ「南極大陸」の主題歌の「荒野より」が入っていて、この曲ももちろん悪くないのですが、他の曲も今日はなんだか胸にしみいる感じです。
 たとえばどんな曲かというと。

(以下「♪」は歌詞からの引用です)

その1)バクです

♪バクです 今の今からバクになる
♪バクです バクになることにしたんです

 アルバムの二曲目に入っている「バクです」っていう笑っちゃうようなタイトルの歌ですが、じっくり聞くととてもとても切なくなる歌です。

 バクは夢を食べると言われる動物で、なぜ、そんなバクになりたいかというと

♪あんたのつらい夢を喰っちまいます
♪あんたの泣いた夢をを喰っちまいます

♪バクはまったく悪もの喰いでなんでもかんでも喰うんです

♪バクの上に夢よ降り積め あんたの捨てたい夢を降れ

♪バクは一人で喰い続けてる
♪笑ってるあんたの夢を見るまで

 ・・・夢・・・
 時として夢は破れる時がある。
 いろんな事情から夢をあきらめなくちゃいけない時もある。

 歯を食いしばって届かない夢を追い続ければ、最後に叶えば美談だけど、全部の夢がかなうほど世の中は甘くないから、そんなとき多くの人にとって「夢」は苦しみや悲しみをもたらすものだったりします・・・

 叶うと信じてあきらめず追い続けるのも苦しいし、
 かといって酒でも飲んで全て忘れてしまおうとすることも苦しい。

 おそらく「バクになる」と言ってるこの曲の歌い手は、そんな苦しみに打ちのめされる人を目の前にして、「バクに なる」ことを決めるわけですな。

・・・こんなに苦しむくらいなら最初から夢なんか見なきゃいい。

 なんて私はたまに思うのですが、それでも夢を見るのが人間だから、この世界から生きる苦しみは消えません。

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2009.12.17

忘却とは忘れ去ることなり 「夜会VOL.16~夜物語~本家・今晩屋」

「忘却とは忘れ去ることなり、忘れ得ずして忘却を誓う心の悲しさよ」

今ネットで調べたら、このフレーズは昔々のラジオドラマ「君の名は」に出てきたセリフだそうです。

みゆきさんの「夜会VOL.16~夜物語~本家・今晩屋」を見ていて、ずっと「忘却」の罪と救いのことを考えていました。

舞台を通してずっと「109番目の除夜の鐘」という歌が歌われるのですが、一般に除夜の鐘は百八つの人間の煩悩を消し去ると言われています。

じゃあ109番目の除夜の鐘が鳴ったら?
・・・
・・・
・・・

「忘却の罪と救い」について考えたと書きましたが、要するに煩悩とは人間のいろいろな執着です。恨み、嫉妬、憂いはもちろん、忘れ得ぬ約束、届かなかった思い、金持ちになりたい、成功したい、人よりもいい目をみたい、自分の子供だけはいい学校に行かせたい、愛する人をこの手に抱きたい等のあらゆる欲、etc.

消した方がいいのか、消さない方がいいのか、迷うところです。

ある約束を交わし、片方がそれを忘れてしまって片方が覚えている場合に、それは一般に悲劇になります。
もちろん約束したときはお互いに守るつもりの約束ですが、時間とともに、状況が変われば守れなくなることもあるし、そもそも、その約束が約束を交わした二人にとってベストかどうかも怪しくなるわけです。
なら約束なんかしなきゃいいのに、ということにもなるわけですが・・・

私個人としては、そもそも約束ってそういうものだと思うのです。
その場では確かに守りたいと思っていた。
けれど、守れないこともあるかもしれない。

でも、守れない約束なら最初からしなきゃいいのにね、というよりは、約束は、そうであればいい、という「祈り」に近いものだと思います。

たとえば、
「俺より先には死ぬなよ」
「ええ、約束するわ」
みたいな約束。現実にそうならなかったって「約束を破ったな」ってことにはならない・・・ような気がする。
要は守られることよりもその場で誓うことが重要で。

私はそういう「誓い」ってそのときの二人にとっても、その先の二人にとってもとても大切なもののように思えるのです。
うん。たとえ最終的に果たされなかったとしても。

きっと百八つの鐘は、果たされなかった約束への恨みを消してくれるのでしょう。
忘れてしまうことが正しいのか、たとえば愛した人への思いまで、消してしまっていいのか・・・いや、だからこそ、煩悩としての執着は捨て去り、ただ・・・

そう、「愛だけを残せ」ってことかもしれません。ね、みゆきさん。
お後がよろしいようで。

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2009.03.05

「永久欠番」

 今度の土曜日に、また、仲間内で集まって演奏を披露しあうLIVEに中島みゆきのコピーバンドででます。
 今回のラインナップは、

「眠らないで」
「この空を飛べたら」
「肩に降る雨」
「永久欠番」
の4曲です。

今回は、いつも出るメンバーが忙しくて、ピアノと歌だけで聞かせられる曲という選曲になりました。
私もベースをやることがあるんですけど、今回は歌で参加。「永久欠番」を歌います。

永久欠番…野球の歌ではないですのよ。

今ここに生きている私たちですが、100年前も100年後も、この世界にはおそらく存在しない。覚えている人もみんないない。生きてるって何だろう。死んでしまったら何もなくなってしまうんじゃないか。

けれど。

そう、「けれど」。
この先を知りたい方はこちらの歌詞をどうぞ~

声の大きさだけにしか自信はありませんが、当日は思いをこめて、歌いたいと思います♪

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2008.03.03

「僕の身の程じゃなく夢だけを照らしてよ」

 何回かこのブログでも記事にしていますが、3月1日に、趣味のバンド仲間が何組か集まってライブスタジオを貸し切ってやるLIVEに、中島みゆきさんの曲だけを演奏するバンド「ぷれなみ」(「Let's play 中島みゆき」の略です)で参加してきました。今回はこの4曲を演奏しました。

「宙船」
「夢の通り道を僕は歩いている」
「新曾根崎心中」
「愛から遠く離れて」

 最初の「宙船」はTOKIOの曲でドラマの主題歌にもなったので知っている人は知っているかもしれませんが後はファン以外はまず知らないであろうアルバム曲。相変わらず通なことをやっております^^;

 LIVEは我々以外は、中島みゆきファンじゃない人の集まりなので、「なんだかな~」という感じだったと思われますが、私の職場の人も1名、聞きにきてくれていたので感想を伺うと・・・

「これ、全部、中島みゆきの歌なんだよね? いろんな曲があるんだね。面白かった」
 と言っておられました。

 ふむ。そうですね・・・今回はまったくカラーの違う4曲だなぁ。それだけいろんな曲をできるほど、バンドの構成が充実したということかも♪ 以前に比べ、ギターのスペシャリストが加わり、今までギターをやってた人がサックスで参加出来るようになって、音が厚くなりました。

 私たちのバンドの特色の一つは、特定のヴォーカルがいないこと。
 今回の4曲も全てヴォーカルが違うんですよ。それぞれ、その歌に合ったヴォーカルが歌っていて、それもバラエティに富む要因の一つかもしれません。

 私は、以前クラシックギターをちょこっとやっていたので、簡単な曲ならベースを担当していますが、歌も歌わせてもらっています。今回は、「夢の通り道を僕は歩いている」を歌いました。本日のタイトルは、この曲の一節です。
 中島みゆきのアルバムだと、有名な「地上の星」が収録されている「短編集」というアルバムに入っています。そういえばこのアルバムって、みゆきさんにしてはクセのない、あっさりした仕上がりで、中島みゆき初心者の人にぴったりな感じがします。

 今回はずいぶんこの歌を歌ったな~。カラオケに練習にいって何度も歌ったし、みゆきさんの歌も何度も聴きました。 夢を追って歩く内に行く先を見失い、途方に暮れて・・・

(引用開始)

 月よ 照らしておくれ 涙でにじまないで

 僕の身の程じゃなく 夢だけを照らしてよ

(引用終わり)

 夢、か。私の「夢」はなんだったろうな。
 LIVEまではりあえずLIVEのことだけ考えてがんばってきましたが、終わったらちょっと気が抜けてしまいました・・・
 

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2007.12.19

みゆきさんのコンサートへいってきました(ネタバレ注意)

 東京国際フォーラムでの、中島みゆきさんのコンサートに行ってきました♪
 うぉー、生のみゆきさんだ~♪♪♪
 コンサートってなんだか不思議な気持ちになりますね。憧れのあの人と、ほんとに同じ時代に生きてるんだなぁって。

 みゆきさんは、夜会という舞台を演る年もあるので、今回のコンサートは2年9ヶ月ぶりです。自分で申し込んだチケットは抽選からはずれ、今回はあきらめ半分だった私ですが、友人から譲り受け、運よくみゆきさんに会いにいくことができました。

(これからコンサートに行く方は、ネタバレになりますので、以下、ご注意を。)

 とても楽しいコンサートでした。
 私はどちらかというとみゆきファン歴はそれほど古くないライトなファンなのですが、今回は聞きたかった曲がたくさん。
 今回のコンサートの選曲にあたっては、ファンクラブの会報で「コンサートで聞きたい曲」を募集して決めようと思って、実際アンケートしたら、てんでばらばらの選曲だったので、結局全然参考にならなかった・・・なんて、みゆきさんは話していましたが、案外、ちゃんとアンケートで聴きたい曲に上がっていた曲も選曲されていた気がします。
「誕生」とかね。

 「一人で生まれてきたのだから」
 この曲、あまりじっくり聴いたことがなかったのですが、今回コンサートで聞いてみて「いいな~」と思いました。みゆきさんの曲はたまに「私のこと歌ってんじゃないの?」と思う曲があるのですが、この曲もその一曲だったりします。・・・ふふ、全国のファンがみんな、それぞれ、いろんな曲にそう思ってるんでしょうね。

 「宙船」
 コンサート限定TOKIOバージョン。めちゃめちゃかっこいい~♪ すごい♪
 みゆきさんも歌いましたが、TOKIOバージョンですから、実際、TOKIOに渡したデモテープさながらにコーラスの男性をメインボーカルにしての1曲。申し訳ないですがTOKIOよりもかっこよかった。いや、長瀬くんは好きですが^^; それにしても、これ、ドラマができる前にできてた曲だとは、驚きました。「マイボス☆マイヒーロー」にはとっても合ってた曲だったので。そんな偶然もあるのね。

 「ララバイSINGER~あざみ嬢のララバイ」
 「ララバイSINGER」も聞いた瞬間に、心にグサッときた曲です。私も実は「♪ララバイ~」のくだりで「アザミ嬢のララバイ」にチェンジすることがあったので、コンサートで演ってくれたのが嬉しかったな~。とても面白い演出でした。

 「命の別名」
 ♪命につく名前を「心」と呼ぶ~
 これ、みゆきさんの曲の中でも、名フレーズだと思うのですよ。とっても大好きな曲で、自分で歌うときも思わず力が入ってしまう一曲。コンサートで聴けると思わなかった・・・幸せです。

 ラストは「重き荷を負いて」だったのですが、聞きたい曲アンケートでも上位だったこの曲、私は実はあまりピンときません。無論、いい曲ではあるんですけど、他の曲ほど、こう胸に迫ってこないというか。アンコールラストの「背広の下のロックンロール」などもそうなのですよね。

 コンサートの帰り道、友達と話していて気付きました。
・・・そっか、私、右の肩にも左の肩にも何も乗ってないからか・・・

(引用開始)

右肩に愛を乗せて 足取りが遅くなっても
左肩に国を乗せて 足取りが遅くなっても
背広の下のロックンロール
誰に見せるためじゃない 己のためだ

(引用終わり)

 自分でも少しは何か背負えよ、と^^; ちょっぴり自戒したコンサートの夜でした。

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